ニシンは和名を「カドイワシ」あるいは「カド(奥羽地方)」とも言い、漢字で「鰊」「鯡」と書きます。
「群来(くき)」は大群で押し寄せたニシンの放出する白子によって海が白濁する現象をいいます。
ニシンが大漁に来ることを「群来る(くきる)」と言ってました。
ニシンが産卵のために押し寄せる時期は3月末から5月の約2ヶ月足らずで、南下した北海道サハリン系ニシンの群れは
水深30m以下の浅いところの海草に卵(粘着卵)を産みつけました。
「群来」はその際に見られた現象で、この時期にやってくるニシンを「春ニシン」と呼びました。
卵は直径1.4〜1.5mmで、それが10日位で子魚となり、2ヶ月余りで6cm位となって沖合に去り、満4年で成熟します。
―群来の逸話―
・海中に落とした櫂(カイ=船を漕ぐ時に使う)が斜めに立ったまま、ニシンの波とともに流されて行った。
・海面の低い岩が押し寄せたニシンに隠れた。
・打ち寄せたニシンは誰でも手づかみで取れた。

右の画像:「時化で打ち上げられたニシン 大正8年 林満氏所蔵」

左の画像:「余市地方 最後の群来 昭和29年」

左の画像:「刺網漁 昭和29年」